
介護の申し送りは、忙しいほど早口になり、思いついた順に話してしまいがちです。
その結果、重要な変化が後回しになったり、聞き手が要点をつかめずに解釈違いが起きたりします。
伝え漏れを減らすコツは、話し方の型を決め、順番を固定することです。
本記事では、介護の申し送りのコツ 伝え漏れを防ぐ話し方と順番として、現場で使えるテンプレと具体例をまとめます。
要点まとめ
- 最初に安全に関わる特変を結論で伝え、次に対応と依頼を短く続ける。
- 話す順番は「特変→今日の総括→生活項目→対応済み/未実施→次シフトへの依頼」で固定する。
- 5W1Hと数字で具体化し、事実と意見・推測を分けて誤解を防ぐ。
申し送りで伝え漏れが起きる原因と、結論先行の話し方

結論→対応→依頼で話すと、聞き手の判断が速くなる
申し送りは「何が起きたか」を最初に言うほど、聞き手が優先順位をつけやすくなります。
特に夜勤入りや多忙な時間帯は、前置きが長いと重要情報が埋もれやすいです。
おすすめは結論先行の「結論→対応→依頼」です。
結論で特変やいつもと違う点を一言で示し、
次に行った対応、最後に次シフトでしてほしいことを伝えます。
例文は次の形が使いやすいです。
結論:夕食後にむせ込みが増えました。
対応:食形態は変更せず、姿勢調整と一口量を小さくして様子を見ています。
依頼:朝食時もむせ込み回数と痰の絡みを観察してください。
事実・意見・推測を分けると、解釈違いが減る
申し送りで混ざりやすいのが、事実と感想、推測です。
ここが混ざると、受け手が「確定情報」として受け取り、対応がズレる場合があります。
事実は誰が見ても同じ内容にします。
意見は「そう感じた」レベルとして添え、推測は「可能性」として扱います。
言い換え例です。
「事実:14時に37.8℃。食事は昼2割。」
「意見:表情が硬く、しんどそうに見えました。」
「推測:風邪の可能性もあるので、夕方も体温を確認したいです。」
数字としての結果は紛れもない事実なので
そこはハッキリと伝えましょう。
間違っても「おでこを触ったら凄く熱くて熱があるかもしれません」
というようなふわっとした報告はしてはいけません。
伝え漏れを防ぐ「話す順番」テンプレと、使えるチェック表
ゴールデン・オーダーは「特変→総括→生活項目→タスク→依頼」
介護の申し送りは、順番が毎回変わると漏れやすくなります。
チームで共通の並びを持つと、聞き手も「次に何が来るか」を予測でき、聞き逃しが減ります。
使いやすいテンプレは次の5つです。
- 最優先事項(命・安全に関わる特変、事故、ヒヤリハット)
- 今日の結論・総括(いつもと違う点を一言)
- 生活の主要項目(体調、食事・水分、排泄、入浴・清潔、服薬・処置、睡眠、日中の様子、連絡事項)
- 行った対応・残っているタスク(対応済みと未実施の線引き)
- 次シフトへの依頼・注意点(観察ポイント、声かけ、リスク)
「特変は最初」が基本です。
転倒、誤嚥疑い、強い痛み、強い興奮などは、生活項目より前に置くと安全につながります。
申し送りチェック表(口頭+記録で漏れを減らす)
忙しい現場では、頭の中だけで整理すると抜けが出ます。
メモとチェック表で「その場で考えない」状態を作ると、申し送りが短くなりやすいです。
次の表は、申し送り前の最終確認に使えます。
| 項目 | 口頭で伝える例(短く) | 記録に残す例(詳細) |
|---|---|---|
| 特変・事故 | 「18時に転倒。左膝を打撲。」 | 発生場所、状況、外傷の有無、連絡先、再発防止の対応 |
| 体調・バイタル | 「14時に37.8℃。SpO2は96%。」 | 測定時刻の推移、普段との差、追加観察の理由 |
| 食事・水分 | 「昼2割。水分は合計600ml。」 | むせ込み、食形態、一口量、介助量、好みの変化 |
| 排泄 | 「便1回、尿3回。失禁なし。」 | 性状、時間帯、下剤使用の有無、皮膚トラブル |
| 服薬・処置 | 「夕の内服は済み。軟膏は未実施。」 | 拒否の有無、理由、医師・看護への報告状況 |
| 行動・精神面 | 「夕方に不穏あり。声かけで落ち着く。」 | きっかけ、具体的言動、効果があった対応、注意点 |
| 連絡事項 | 「家族へ転倒を連絡済み。」 | 連絡時刻、相手、伝えた内容、次回連絡の要否 |
口頭は要点、詳細は記録で補う運用がしやすいです。
ICTの記録システムがある施設では、タイムラインやチェック機能を併用する方法もあります。
短く伝わる具体化テクニック(5W1H・数字・例文)
5W1Hで「抜けやすい情報」を埋める
申し送りの抜けは、いつ・どこで・誰がが省略されたときに起きやすいです。
5W1Hを意識すると、聞き手が状況を再現しやすくなります。
例です。
いつ:16時
どこで:廊下
誰が:Aさん
何を:ふらついて座り込み
なぜ:トイレに急いだ様子
どうした:手引き歩行に切り替え、ナースへ報告。
この形でメモしておくと、話す順番も整います。
結果として、介護の申し送りのコツ 伝え漏れを防ぐ話し方と順番を実行しやすくなります。
曖昧語を数字に変えると、誤解が減って時間も短くなる
「少し」「だいぶ」「いつもより」だけだと、受け手の感覚に左右されます。
数字や回数に置き換えると、判断がそろいやすいです。
言い換え例です。
- 「少し熱い」→「37.8℃」
- 「あまり食べない」→「主食2割、副菜1割」
- 「何回もナースコール」→「1時間に3回」
- 「眠れていない」→「0時以降に離床2回」
長い説明を削り、数字で一発で伝えるほうが短時間で済みます。
申し送りが長くなりがちな人は、まず数字を1つ足す練習が効果的です。
注意点・補足
申し送りの項目や順番は、特養、老健、デイ、訪問などサービス形態で変わる場合があります。
医療依存度が高いフロアでは、SBARのように状況と提案を強める運用もあります。
また、口頭申し送りを減らし、記録中心にしている施設もあります。
どの形でも、施設のルールと責任者の指示を優先し、迷う内容は記録と報告の両方で補うのが安全です。
まとめ
介護の申し送りのコツ 伝え漏れを防ぐ話し方と順番は、結論先行と順番の固定、数字と5W1Hでの具体化です。
今日からは、申し送りメモを「特変→総括→生活項目→タスク→依頼」の順に書いてから話す形に変えてみてください。
最後に当然のことですが言っておくと
「メモを取らずに申し送りをするのは不可能」です。
たまに頭で頑張って覚えて報告する方がいますが、
ハッキリ言ってそれでは覚えていないことのほうが多いので
報告には値しないといってもいいでしょう。
報告は利用者様のお身体に関わることなどが多いので
しっかりメモを取って確実な情報を伝えるよう心がけましょう。